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死神と少年ー表紙

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見返し1

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死神と少年ーある晩、少年は熱にうなされて、うとうと、浅い眠りにつきました。

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ふと目覚めると、隣に死神がいました。

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ぴー!指笛はピンチの合図。少年のおもちゃがいっせいに集まって来ました。「これで負けないぞ」と目をこらすと、あらら?

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死神ったら悲しそうにシクシク泣いています。大粒の涙が後からあとから、ぽたぽたぽったり床に落ちました。あまり悲しそうに泣くので、少年はだんだんとかわいそうに思えてきて……

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熱いココアを入れてあげました。ふんわり甘くてホッと一息。ようやく落ち着いた死神は、ポツリポツリとしゃべり始めました。「ありがとう。ぼくは死神。魂を死の国へ連れて行くのが仕事なんだ。」

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ところが死神は誰かを連れて行こうとすると、体をうまく動かすことができません。死神の王様は激しく怒り、最後の命令を与えました。それは少年を死の国へ運ぶことでした。「従わなければ、お前を消してやる!」

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それでも死神にはできません。少年を一目ですっかり気に入ってしまったのです。朝になれば追っ手がやって来て、死神は消されてしまうでしょう。 「そんなひどいことってないよ!」少年は思わず叫びました。「皆で何か考えよう。」

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コホンと咳払いが聞こえて、固まりかけたのりがおじぎしてから言いました。「古いものたちの街へまいりましょう。そこなら死神の目には届かない魔法に溢れているのです。」コケコッコー。時間がない、飛ぶんだ!

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飛んでいるシーン

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のりが歌い出しました。「今ここが、時の境目、場所の境目。さぁ、ぼくをお天道様にかざしなさい。」 少年がのりを陽の光にかざすと、ドプンと世界がひっくり返り、内側は外側に。外側は内側に。

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気がつくとそこは、黄昏色に染まる不思議な街でした。 ここは大切にされた古いものたちが辿り着く場所。生まれ変わるのを夢見ながら、歌ったり遊んだり思いおもいに過ごしていました。

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死神と少年はこの街でのんびり楽しく暮らし始めました。ゆっくりたっぷり時間をかけて、死神は心を決めました。「ぼく、生まれ変わろうと思うんだ。」

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広場に行くと、古いものたちが並んでいました。死神と少年はその後ろにそっと加わりました。

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順番が来ると、街の守り人は言いました。「死神の願いを叶えましょう。」 そして少年の頬をそっとなでました。「あなたには帰るところがあります。」 いよいよお別れの時が来たのです。「ありがとう。僕たちはほんとうにほんとうの友達だよ。」

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死神はちっぽけなローソクを取り出すと言いました。「君の体がすくすくと健やかに育ちますように。」そして魔法をかけました。 その瞬間、少年は光に包まれました。暖かく心地の良い光でした。

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光

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目を開けると、いつもの部屋にいつもの朝。どこかで死神がキラリと笑った気がしました。

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見返し2

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裏表紙

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